The Beast Must Die

彩未で6年来の私怨を晴らしたのち、憑き物が落ちたようにホテルに向かう。強く雨の降る中、宿近くの居酒屋に飲みに行く。

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昔まったく同じ柄の切子のコップを持っていた。なめろう旨い。バイトが北大生。北大生はなめろう

翌日昼、「狼スープ」というラーメン屋に行く。幼少期に読んだ絵本で、悪さをした狼が最終的に煮て食われるというシーンに恍惚となって以来、狼のスープを口にするのが夢であった。

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スープの力で若干の松田優作らしさを備えたわたくしは、野獣の血に導かれ円山動物園に赴く。雨の動物園はひと気もまばらで、動物のほうが多いくらいであり、修学旅行生の女子たちの間ではスラックスが普及しており、白熊は生温い孤独に耐え、ダチョウは恐竜だったころの面影をたたえ、マンドリルは不自然に強い原色の光を放ち、人は弱く惨めで、にもかかわらずその弱く惨めな人間たちがそれらすべての動物たちを管理していた。

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最後は北大の近くの飲み屋でマグロやザンギ。慙愧に堪えない。

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