アパートの鍵返します

なぜ日本の一地方都市に、旧共産圏のスポメニックじみた建造物が存在するのか、最後まで分からずじまいだった。

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一説によると、この塔から発せられる強力な電波によって住民がみな健康でよく税を納めるということだが、結局のところはТыва市だから仕方がないというほかない。過ぎ去った過去も、曇り窓の未来も、届かない恋も、言い出せなかった言葉も、巨大建造物も、すべては人間の手に余る。

部屋の鍵を返して去る前に、茨城全土を牛耳るラーメン屋グループの店舗で名残を惜しむ。皆さんも茨城にお越しの際は、「巨活オ」の看板に十分注意されたい。

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必要な家具を買いそろえようと帰り道に新宿のニトリに寄ったが、「生活を改善しよう」という意識を欠いているために家具の選び方が分からず、座椅子だけ買って帰った。周りのカップルたちはカーテンの裏地などを見ており、「生活」というものを抽象(生存)から具象(裏地)へと引き下げることで己の手の届くものにしようという確固たる意志を感じた。私にとって家具といえば、『もやしもん』の序盤で及川がカーペットを買って直保に担がせるシーンで、それ以来私の中では、家具を買うのは及川であって私ではないということになっている。