2023-01-01から1年間の記事一覧

С наступающим Новым годом!

なんの気なしにロシアのマガダンという町のストリートビューを眺めていたら、日本語が書かれたトラックを発見した。 いったいどのような経路で、はるばるこのパルコヴァヤ通りまでたどり着いたのだろう。どんな人が、何のために買ったのだろう。2021年の画像…

アンダープレッシャー

現代人は日々途方もないプレッシャーにさらされ疲弊している。上司、教師、父、母、夫、妻、友人、彼氏、彼女、同期、顧客、フォロワー、マスコミ、世間、試験、受験、就活、常識、責任、迷信、憶測、猜疑、陰謀、風説、風雪、太陽、大地、大気、深海、闇、…

鬼太郎はリモコン下駄を履かされている

数か月前に買った缶のハイボールは正気を疑うほど高くて、飲むのがもったいないもったいないと思い続けるうち飲む機会を逸していた。しかし先日『駒田蒸留所へようこそ』を見たことが、今日飲まずしていつ飲むとおのれを鼓舞するきっかけとなり、ようやくふ…

2016年のかぼちゃビール

コンビニで「芋」ビールを見つけた。最初は芋焼酎のソーダ割りかなにかかと思ったが、パッケージに「ホップ」とあったので、ビールと分かった。 これを飲んで思い出したことがある。7年ほど前、金はなく、それでもなんとかして日々の生活にアルコールの彩り…

ドス禁

以前家族から「ドストエフスキーはソ連でどのように読まれていたのか」と問い合わせがあった。そういうことは私でなく当事者であるドストエフスキーかソ連に問い合わせるべきだ。 どうしてそんなことになったのかというと、SNS上で「ドストエフスキーはソ連…

読むな!読め!甦れ!

10年くらい昔の話、「世界文学」というタームが界隈で地味な流行の兆しを見せていた(?)とき、当時の私は「翻訳」とか「越境」とかそういった問題系にあまり興味がなかったので、「またなにかメリケンから思想の黒船が来とるワ、開国シテクダサイ」と斜に…

夢でもしふるえたら 素敵なことね

変な時間に寝ると変な夢を見る。みじめな我々の住む有為転変の世界では常識である。 バスツアーのようなものに参加している。本当は姉と一緒に参加するはずだったが、仲たがいしたのか、私一人で参加している。なぜか出発が夜中だし、行き先がわからないし、…

なぜめぐり逢うのかを、私たちは

この世界には、〈心を14歳に置いてきたおじさんたち〉が生きている。 〈心を14歳に置いてきたおじさんたち〉は生命力に乏しく、安全な山奥では十分な糧を得ることができないため、ひと気のない夜などに水場や食糧を求めて人里に下りてくるケースがあるが、た…

私の頭の中の白無垢

富山県は入善(にゅうぜん)町に「下山」という地域がある。読み方を「にざやま」という。 という、などと偉そうに言っているが、そこに「下山芸術の森 発電所美術館」というものがあるという情報を得たときは当然「しもやま」と読むものと思ったので、調べ…

恋と愛の天国

映画『人生フルーツ』を見たのは数か月前のことだが、お盆休みに愛知県に行く用事があって、時間があったので、舞台となった高蔵寺ニュータウンに足をのばした。「なんでそんなところに?」と口々に聞かれたが、『人生フルーツ』を知っている人の数はとても…

それは大きな穴のような

『奈落のマイホーム』。 www.youtube.com 昨年、同じく韓国の映画である『なまず』を見たが、そこでもシンクホール(都市部の陥没事故)が重要なモチーフになっていたことを思い出した。日本でも少し前に福岡で大規模な道路の陥没事故があったので、ぜんぜん…

タジク人たちはどう生きるか

『ルナ・パパ』が良かった。大変良かったというべきかもしれない。 『コシュ・バ・コシュ』も良かったというべきかもしれない。 時めぐって、私の住む町にもフドイナザーロフ特集が巡回してきたので、上記2作品を見ることができた。町にやってくる紙芝居屋を…

ほんとの日付は秘密だよ

先日見た『ジェントル・クリーチャー』にも出演していた Лия Ахеджакова という女優と誕生日が同じだということを、Facebookで流れてきた投稿を見て偶然知った。知って、なんとなく嬉しかったのだが、誰に伝えたところで伝わるでもない。ためしにここに書い…

酔いもせず(する)

変な時間に寝ると変な夢を見る。みじめな我々の住む有為転変の世界では常識である。 ① どこかの会社に勤めている。休日出勤をしている。すると、普段から気になっている同僚の女性もまた出勤してくる。髪型がボブっぽくていい。斜め前のデスクに彼女がいるこ…

やさしい おんな やさしくない おんな そんなの ひとの かって

6月11日で公開期間は終了してしまったが、とある映画配信サイトでウクライナやジョージア、ルーマニアなどの日本未公開映画を配信していて、そのラインナップにロズニツァの未見の作品が含まれていたので視聴した。こういうのは地方住まいの人間には本当に便…

碧いパソコン 宇宙(そら)を翔けてく 心照らす光放ち

本当にまったくなんでもない話だが、今朝、目覚まし時計で目が覚めて、止めに起きたら、スリープ状態であったはずのパソコンが真っ青な画面になっていて、職場に行く前であまり時間もなかったが放っておくわけにもいかず、椅子に座って回復を試みた。結果と…

望まぬ運命が不幸とは限りませぬ

オタール・イオセリアーニの『唯一、ゲオルギア』(1994)を見に行けてよかったなと思っている。 「ノンシャランと行きましょう」て 金沢のシネモンドという映画館で見たのだが、近所で昼飯を食えるところを探していたら「グルジア料理とフランス料理の融合…

確定申告を考え出したやつは本作を見て出直したほうがいい

映画『コンパートメント№6』の冒頭、主人公のラウラがモスクワで参加しているパーティで、参加者のひとりがペレーヴィン『チャパーエフと空虚』(1996)の一節を引用する。これは小説の主人公ピョートル・プストタが、彼の担当医である精神科医チムール・チ…

あなたがたがいてくれること、いてくれたこと、そしてこれからもいてくれるであろうことに!

渋谷のシアター・イメージフォーラムというのは不思議な映画館で、「不思議」というのはこれでもかなり曖昧な言い方を心がけているのだが、ほかの映画館ではあまり見ない事態に遭遇する確率が高い印象を持っている。そもそも多くのお客さんをさばくために設…