最速!アルマトイの書店情報を取って出せ

何に比して「最速」なのか、疑問に思う向きもあるだろう。しかしそういうことを考え始めてしまう時点で、あなたはすでに最速から一歩遅れを取っている。現代では、生き馬の目を抜いている人間の戸籍を勝手に抜いておくくらいでないと、最先端の競争からは取り残されていくばかりだ。

昨日まで、ゆえあってカザフスタン共和国アルマトイ(カザフ語読みだと「アルマトゥ」に近いとのこと)という都市に滞在していた。そこで数軒本屋を巡ったので、感想を書き残しておきたい。まず、本をそんなに大量に購入しても持って帰れないので、見つけた店をすべて網羅するようなことは目指さなかった(知らない外国の街の移動はキツい、というのもある)。そして、カザフスタンの書店ではロシア語書籍とカザフ語書籍の棚が分かれているが、筆者が印象を話せるのはロシア語のほうについてのみである。また、そもそも現地に住む人であれば、ネット通販も発達しているし電子書籍もあるしで、もはや紙の本を探しに本屋に足を運ぶということ自体少なくなっている雰囲気はありそうだ。順番はおすすめとかではなく、訪問した順。

 

1. Книжный город

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郊外のショッピングセンター「MEGA」から歩いて5分ほどのところにある。知人に教えていただいて最初に訪れた店だが、結果としては、ここが一番品ぞろえが良かったかもしれない(1階建てで、そこまで大型の店舗ではない)。ただ、街の中心部からはやや離れたところにあるので、タクシーやバスなどの交通に頼らざるを得ないだろう。ちなみにそのショッピングセンターMEGAのフードコートはやたらでかいし、アイスクリームにマシュマロが混ぜ込まれていてもちょもちょした触感でマジで美味かった。

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2. Книжный магазин Кітап, ТОО Березка

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"кітап"というのがカザフ語で「本」らしい。本はかなり雑然と横積みにされており、探しづらいは探しづらい。ただ、奥のほうをよく見ると、いつからここにあるんだみたいな2000年代の赤茶けた本があって、おもしろい(実際数冊古めの本を買った)。小さい店なので店員のおばちゃんに話しかけながら本を探している客などもおり、私も会計の際におすすめの本屋を尋ねた。

 

3. Академкнига

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②の店で教えてもらった店。品ぞろえは、可もなく不可もなくといった具合で、ロシア語の新潮文庫的な古典のシリーズがかなり充実していたように思うが、そこにはさほど魅かれなかった。とか言いつつ、今カードの明細を見たらまあまあな額買っていたようだ(そんなに安くはない)。

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4. Букинист(古書店

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書店を探して地図を検索していたら、古書店が地図上に出てきた。ロシアだとあまりこういうことはなかった気がする(出てくるかもしれないけど)。地下にあるので入り口が見つけづらい。私が本を物色していたら、女子大生くらいの年齢の女性が2人、「こういうところがいいんだよ!」的な会話をしながら店に入ってきた。レコードの心地よいノイズ混じりの音楽が流れる店内は、若い世代にとってはノスタルジックで「映える」空間なのかもしれないし、その2人が単なる古書狂いなのかもしれない。あと、本棚がめちゃくちゃ歪んでいて今にも崩れそうだった。実は滞在中に地震があったのだが、ほんとに崩壊してないだろうか。

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5. Меломан

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個人的に当たりだったのはここ。地下鉄駅「ジュベク・ジョリ」駅のすぐ近く、中心部の繁華な場所に位置し、外から見るとなんとなくLoft的な雑貨屋に見えた(実際おもちゃやゲーム、お菓子なども売っている)のであまり期待せず入店したのだが、書籍コーナーもかなり充実していた。ロシアで「外国の代理人」に指定されているような反体制リベラルの書籍が目立つところに置かれているのも興味深かった。まあ、外国の代理人なんだから、カザフスタンの書店に並べてあるのは道理にかなっていると言えば言える(?)

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あとちょっと驚いたのが、けっこうな面積を取って日本の漫画のロシア語訳が並べてあったこと。向こうの物価からするとかなり高いはずで、そうホイホイ売れるものでもないと思うのだが、それでも私がいる間に若い子たちや子連れの母親がけっこう眺めに来ていた。
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6. Букинист(古書店

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"букинист"というのは「古本屋」という意味で、④もこれも店名というものはないのではないかと思う。カザフ国立大学の東洋学部のあるキャンパス(日本からの留学生たちはこちらにある寮に住んでいる。本キャンパスはやや遠くの別の場所に位置する)の目の前にあるので見つけやすい(Googleマップに出てくる入り口の写真は、今回尋ねたところと違う気がするが、私が別店舗を見落としたのか、移転したのか)。ロシアの古典文学の全集など、古めの本多数。私が買ったものに限っては価格は安かった。

 

7. Алматыкітап

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ここはお店自体は新しくてきれいだったものの、たまたま見つけて入ったのが旅程の後のほうだったからかもしれないが、目ぼしいものはなく何も買わなかった。

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