あの灰色の労働を

「昭和40年に母親にもらったと書いてある」と言って、父が石川啄木全歌集とやらを持ち出してきたので眺めていたら、

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百姓の多くは酒をやめしという。

もっと困らば、

何をやめるらん。

一方の私は、飢えと貧困に喘いだ明治の農民たちの労苦を忘れ、まだ日も高いうちからジョッキ缶を飲んでしまう。「次困ったら何やめるんだろ」とか言ってる啄木はともかく、宮沢賢治的精神の陶冶を旨とする私(?)は己を恥じた。

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おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である