令和の座敷牢

最近仕事の都合により、週一の頻度で渋谷のビジネスホテルに泊まっている。とにかく値段で選んだ結果、快適な座敷牢と呼ぶにふさわしいホテルに尻が落ち着いた。これが、我々の祖先が彼らの血と汗と引き換えに成し遂げた近代化の行く末だとでも言うのか。

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たぶん一部屋で六畳ないくらいだと思うのだが、写真右側に見切れているのが一畳分の広さに詰め込まれたトイレとシャワーで、なんかどこかで見たことがあるなと訝しんでいたら、どうやら少し前にYouTubeで見た都心の極狭物件の風呂トイレとまったく同じ構造である。「渋谷泊まるにバスタブいらぬ、畳一畳あればいい」と江戸の粋人たちは歌ったそうであるが。

とまれ、畳部屋に布団というのが案外落ち着いちゃって、渋谷駅徒歩12,3分で5000円ならと、リピーターと化している。

今日はPARCO8階の映画館で『カモン カモン』を見、ホテル近くのデニーズでビール。ちゃんとモルツでやけに美味く感じたが、その代わり30秒で出てきてもおかしくなさそうなチキンとアボカドのサラダはいつまで経っても出てこず、私がこのビールの泡なのか、ビールの泡がこの私なのか、結論は出ないままに渋谷区の夜はふけていくのであった。

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