夢でもしふるえたら 素敵なことね

変な時間に寝ると変な夢を見る。みじめな我々の住む有為転変の世界では常識である。

バスツアーのようなものに参加している。本当は姉と一緒に参加するはずだったが、仲たがいしたのか、私一人で参加している。なぜか出発が夜中だし、行き先がわからないし、周りの客はどうも雰囲気が合わないし、怖い。

唐突にパリについている。目的地はパリだったらしい。最初はまず、どこかデパ地下のようなところで腹ごしらえのようだ。ドンクがあって、みんなそこでパンやピザを買っている。店頭のメニューは日本語併記。床に雑多にパスタなどが並べられており、「本場はこうなんだ」と思う。私はなんとなく食指が動かず、買うかどうか迷っていると、みんな先に動き始めてしまう。私は結局何も買わず、後を追う。売り場ではたくさんビールが売られている。日本のよなよなエールも売られている。いつの間にか現地の子供たちもツアーに参加していて、追いかけっこをしている。彼らのうちの一人に追いつくが、その子が人種差別的な発言をしてきたので、思わず投げ飛ばしてしまう。するとベンチに腰掛けてその様子を見ていた女性が、手近にあるロッカーから箒を2本取り出してきて、剣道の二刀流のような謎の構えで私に殴りかかってくる。私はそれを受け止めて反撃する。このとき私の声が、よくテレビなどでシュワちゃんシルベスター・スタローンの声をやっている人によって吹き替えられている。

そのあと、自分のツアーの本隊がどこにいったのかを探し回る。観光が目的ではなかったはずだが、とはいえ私がいない間にみんながエッフェル塔を見終わっていたらどうしようと少し焦る。路地やバスターミナルのようなところを歩き回り、駅のほうに向かう。すると、次の目的地に向かうらしいツアー本隊と偶然出会ったので、素知らぬ顔で最後尾につく。誰も私がはぐれていたことを気にしていないが、最後尾にいた男性だけが「どちらさまです?」と尋ねてくる。自己紹介する。

夢の中とは言え、いたいけなレイシストや女剣士に暴力をふるっている。強く気高く勇ましく有益な男性性を十全に具備していると自負する私としては、忸怩たる思いである。

昔からときたま、夢でものすごく強い怒りに駆られて怒鳴ったり暴力をふるったりして、起きたとき筋肉が強張ってぐったりしていることがあって、これはいったい何の兆候なんだろうと思いながら生きている。普段からコンビニやファミレスで店員に怒鳴り散らしている人などは、逆に夢の中では湖のほとりで小鳥や蝶やカモシカにやさしく囁きかけたりしているのかもしれない。*1

*1:こんな記事を書いた数日後に今度は「凍った鰻の蒲焼をばらばらに砕き、母親に投げつけて泣く」という夢を見た。助けてほしい。