雑記

アナボル(あなたのボルシチはどこから)論争

濱口竜介が「不気味なものの肌に触れる」なら、こっちは「店で食ったものの写真を撮る」。熱々の料理が出てきて最初にすることが「スマホを構える」だというのは、正直未だに気恥ずかしさが消えない行為だが、日記代わりと割り切ってまめに撮っていると、ほ…

翼よ、あれがポロの火だ

先日、初台にある「シルクロード・タリムウイグルレストラン」に行った。 一足先に到着していた友人によると、その日はトヨサキさん御一行のパーティにより席が予約されているとのことで、私と友人は、おそらく普段は誰も座らないのであろう(※店員さんがめ…

とっても大好きコルネリア

「じゃ、没落の後は、なにが来るのかしら?」 ファビアンは、鉄格子のうえに垂れている小枝をむしり取って、こう答えた。「愚かさが来るんじゃないか、と心配してる」 (ケストナー『ファビアン:あるモラリストの物語』より*1) 『さよなら、ベルリン:また…

釈由美子

京王線が事故で止まっていたので、とりあえず京王新線のほうで途中駅まで辿り着いたのち歩いて帰った。まあ私はプルドポークを食べた帰りなので、余裕しゃくしゃくというほかない。プルプルポクポクプルドポーク。

あなたは金魚

妻がなく子がなく友がなく趣味がなく仕事場でしか人間関係がない40代男性は孤独に苛まれ泣き暮れて誰にも気づかれず干からびていくほかない。そんな人間は、水槽から飛び出てミイラ化していく金魚のようなものだ。惨めだ。そんな記事をウェブ上で読んだ。そ…

The Beast Must Die

彩未で6年来の私怨を晴らしたのち、憑き物が落ちたようにホテルに向かう。強く雨の降る中、宿近くの居酒屋に飲みに行く。 昔まったく同じ柄の切子のコップを持っていた。なめろう旨い。バイトが北大生。北大生はなめろう。 翌日昼、「狼スープ」というラーメ…

「下北沢に住んでます」と言ってもギリギリ嘘にならない距離に住んでる

よって、私が『街の上で』とかに憧れるモテ乞いサブカル色懺悔野郎なら下北沢住みを僭称するということもあるだろうが、私には自制心というものが備わっているのでそんな愚かな真似はしない。古川琴音かわいい。 仕事ついでに下北沢で飯を食い、古本屋に寄っ…

腑抜けども、テメェのすき焼きを見せろ

あまりにも昔のことになりすぎて若干引いているが、大学に入学して一人暮らしを始めたばかりの頃、授業や部活動についていくのも楽しいながらに多忙ななか、もう誰かが飯を作って俺を待っていはしない、ならばとにかく何か作って食べなければ死ぬのだわと、…

ギザ懐かしス

午前中にひとっ仕事浴びたのち、東京ガ大に「ドム・ディム・ドム」展を見に。今日が最終日だというのだから。 あっさり見終わる。懐石料理の突き出しと見紛うばかりにあっさりであったが、本当に突き出されたのは我々のほうかもしれない。そういう可能性も念…

アパートの鍵返します

なぜ日本の一地方都市に、旧共産圏のスポメニックじみた建造物が存在するのか、最後まで分からずじまいだった。 一説によると、この塔から発せられる強力な電波によって住民がみな健康でよく税を納めるということだが、結局のところはТыва市だから仕方がない…

この区なんの区

東京都醪涅槃区に引っ越し、人生で初めて区民となった。厳密にいうとまだ住民票は移していないので、紙の上では茨城県Тыва市民なのだが、そういうお役所的で血の通っていない無味乾燥な手続き上の話はしていない。そういうことばかり気にしているうちに、都…

心の魂のあら汁

2022年5月30日月曜夜8時半、渋谷、日高屋、酒も飲まずに1000円するかしないかの定食を満足そうに食って、もはや皿は空いたのだが、なお尽きず語り続ける大学生のカップル、10年か15年かそこらの時間が経ってあなた方が、同じように日高屋かどこかに入って、…

令和の座敷牢

最近仕事の都合により、週一の頻度で渋谷のビジネスホテルに泊まっている。とにかく値段で選んだ結果、快適な座敷牢と呼ぶにふさわしいホテルに尻が落ち着いた。これが、我々の祖先が彼らの血と汗と引き換えに成し遂げた近代化の行く末だとでも言うのか。 た…

リハビリ

2022年3月に退職した前職に就いたのが中途半端にも2018年11月中頃だったので、3年と4か月弱、先の職場では働いていたことになる。 2018年9月1日に1年間のロシア留学を終えて日本に帰ってきて、2か月ほど言い訳の余地なくニートみたいな生活を送っていた。た…

モスクワの本屋

モスクワに「ツィオルコフスキー」という本屋があって、2013年にしばらくモスクワに滞在していた折は、地下鉄駅でいうとルビャンカという、かつてのKGB(ソ連国家保安委員会)、現在はFSB(ロシア連邦保安庁)の本部があるモスクワの中心部のビルの1階に、か…

カバコふ時、カバコべば。

ペテルブルグでイリヤ・カバコフの展覧会をやると人に聞いた。カバコフの創作の中心を占めるインスタレーションというやつは、必要とされる展示規模の大きさから、常時美術館にあって気軽に見に行けるという類のものではなくて、この機を逃すと今度見られる…

東の院生、不死の連隊に出会う

先日モスクワ郊外の公園を歩いていたら、自転車に乗った子供2人がこっちを見るので、「中国人!」とか言ってくるんかな、などと予想していたところ、「平和万歳!」「王様!」と言われた。どうしてわたしが平和万歳王国の国王だとわかったのか。子供の澄んだ…

誰が日本人にビールのレシピを伝えたんだ、エジプト人か?

これは、モスクワのスーパーでおじさんがその場でペットボトルに詰めて売ってたビール。1リットルが70ルーブル、2018年現在のレートだと140円しない。歌いだしたくなるようなカジュアルさ。ペットボトルのビールって日本では見かけませんね、なんでだろ。 ロ…